Four Tet / Pink (jake-sya)(HSE-60128)_仮amzitn

Four Tetのアルバムをもうずいぶん長いこと聴いてる。2010年のアルバム『There Is Love in You』で知って、そのあとリリースされたライブ盤はジャケットが不気味だったとかそんな理由で聴いてないけど、今回は何気なく聴いたらとてもよかった。最初は「これがダブステップ?」とか思って、いろいろ調べて行くうちにそうじゃないことを知って、どうせだからダブステップとFour Tetを絡めた記事でも書こうと思ったけど、結局知識がないからしんどくなってやめた。勉強不足だし、少し論点も違うことがわかったので。

ただそういうレビューを書こうと思ったのは、結局のところ、この音楽について僕が書けることが少ないからだ。歌のない音楽で、ジャンル的に説明するスキルもない。ライブも見たことないし、Four Tetの歴史についても知らない。知らないとびっくりするくらい何も書けない。



僕に書けることは、この音楽はとても曖昧な位置にあるということ。パーティを意識しているにもかかわらず、一人の人間の中で完結するような静けさがある。狂気じみた瞬間があるのに、妙に人懐っこい。ダンスミュージックとして派手な演出はないけど、だからといって玄人好みで終わらせようとしていない。その立ち位置が狙ったものでないところがいい。とことん自分の音楽を追究している。肌の色や言語が異なっていても、それだけはしっかりわかった。秋の夜長におすすめ。