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BUGY CRAXONEの4年ぶりのニューアルバム。

本当にすばらしいロックアルバムだと思う。サウンド的には以前より明るい印象を受けたけど、それよりも雰囲気がロックっぽい。ロックも音楽の一つだから、お客の前で演奏する以上サービスする余地があって、ライブで盛り上がることや音楽的に何か特別なことをすることがある。だけど今回のアルバムはいたって普通のBUGY CRAXONEがそこにいる。

もちろん人の目を意識せず好き勝手にやったわけではないだろうけど、だからといって過剰にリスナーを意識してもいない。ごく自然に歌を歌い、音を鳴らしている。頭を空っぽにして音楽を鳴らしたら普通にロックっぽかった、というのに近いのかも。

音楽はどこか普通じゃないものを演出しないとお客は興奮しない。だからシリアスな音を突き詰めたり、少し泣いてしまうような感動的な歌を歌ったり、激しい音で聴く人を鼓舞する。だけどこのBUGY CRAXONEのアルバムは本当に普通なのにロックとして成立しているのが凄い。そこは普通じゃない。



このアルバムにはうれしいといった感情だけではなく、悲しいや寂しい、愛しいなどの感情がある。ロックっぽい曲もあるけど、日常っぽい曲もある。全体的にあまり派手ではない。ポップだけど、どちらかというと硬派なロックだと思う。だけどすぅーっと曲が入ってくる。

本当にすばらしくて、何度もリピートしてる。最後の"トゥデイ"、"オーライ"、"ガーデン"の3曲の流れがすばらしくて、聴くたびに泣きそうになる。最近ロックを聴いてかっこいいと思うことが少なくなったけど、BUGY CRAXONEはかっこいい。



アルバムは日々の営みを祝福するかのような"ハレルヤ"ではじまる。この曲があったからこそ、ネガティブな曲もそれとは真逆の力強い曲も、ラフな感じで聴ける。15年の重みと再出発の意思を感じるロックアルバムだと思う。