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(http://natalie.mu/music/news/73925)

 N'夙川BOYSの札幌 moleでのライブを観てきた。moleははじめて来たけど、ソフトドリンクがビタミンウォーターしか置いていないことを除けばいい感じ。お客の入りは推定300人くらいで、結構埋まっている感じだった。20代前半のお客がメインで、少し自分が歳取ってしまった事を痛感した。でも隣に年上の男の方が二人ほどいて勝手にシンパシーを抱いていた。

 ライブは序盤から「24hour」「Freedom」「プラネットマジック」とキラーチューンを投入し、お客さんも跳ねて会場が揺れていた。すごい盛り上がりで、結論を先に書くと、新しいアルバムで盛り上がれる曲をたくさん書いたからお客さんがたくさん来たし、実際に盛り上がったのだと思う。

 新作『24HOUR DREAMERS ONLY!』は以前のアルバムと比較して、お客さんがクラップしたりとか、ライブ感を味わいやすい曲が多い。「GIRIGIRI♡さ」の警報音もMCに被せて笑いを誘っていたし、実際におもしろかった。普通ライブではやらないだろうと予測されていた「夙川BOYS ~Journey~」の再現にはみんなが爆笑していた。元々お客の掴みがうまいバンドだったけど、その能力を曲の中でも生かしていた。

 ライジングサンの時はKING BROTHERSのライブも観たのだけど、その時はあまりにロックンロールに対してストイックで、正直凄すぎて空いた口が塞がらなかった。でもN'夙川BOYSは人懐っこい感じがする。かと思えば、笑いとは関係ない「オブリヴィアンズに憧れて」や「ロンリーボーイズ」のようなただのいい歌も歌うし、リンダがメインの「路地裏BE-BOP」は想像してたよりもリンダの歌がうまくてびっくりした。

 終盤、突如The Drumsの「Lets Go Surfing」をカバーした時に、シンノスケがKING BROTHERSのように上手に弾いていて、普段はわざとN'夙川BOYS用の音を出していることが今更だけどわかった。わかっている人には当たり前なのだけど、N'夙川BOYSは素人バンドではなく、実質的にはかなり上手なミュージシャンが素人っぽく演奏しているバンドなのだと思う。本来的に技術を持ったミュージシャンが、音楽的には素人のリンダを迎えることで、ロックの歴史の中で最も素朴に楽しい部分をうまく抽出できたのがN'夙川BOYSなのだと思う。

 多分、N'夙川BOYSのライブだと、マーヤは10代のような青臭いことを話せて歌えるのだと思う。ストイックなまでにロックンロールを求道するKING BROTHERSの音楽もかっこいいけど、だからこそかっこ悪い部分もさらけ出せるN'夙川BOYSを作れたのだと思う。この夜も雪だるまを作って投げたり、ダイブして場内を一周したり、かっこ悪いMCをしたりとやりたい放題だったけど、その一方で凄くお客の反応も気にしていた。以前、札幌でライブした時は5人しかお客がいなかったと話していた。きっとうれしかっただろうし、きっと僕たちお客もうれしかった。欲を言えば「ミッドナイトエンジェル」を聴きたかったけど、それでも楽しい夜だった。

・(うろ覚え)Set List
1. 24 hour
2. Freedom
3. プラネットマジック
4. ひとりぼっちのマイクロフォン
5. yeah yeah! (ぼくらのコンタクトバトル)
6. homework
7. GIRIGIRI♡さ
8. 夙川BOYS ~Journey~
9. オブリヴィアンズに憧れて
10. Candy People
11. トゥナイト
(SE:ドリーマーズ パーク ~ 鳩昼夢 ~)
12. ロンリーボーイズ
13. 路地裏BE-BOP
14. Let's Go Surfing(※cover)
15. Baby Dreamer
16. アダムとイヴがそっと
17. 物語はちと?不安定
18. 死神DANCE
encore
19. THE シーン
20. T.H.A.N.K.Y.O.U