b0037749_1744169
日本のセックス (双葉文庫)

 少し前に気になっていた「さらば雑司ヶ谷」をそろそろチェックしようと思って、書店の文庫コーナーをうろうろしていたけど、文庫コーナーにはこの「日本のセックス」しかなくて、タイトルが挑発的だけど読んでみたら自分にとっては数年に一回の大当たり!という作品でした。超面白かったです。


 そうtwitterに書いたら当の樋口さんにRTされました。かなり驚きました。恐縮です...

 寝取られ、スワッピング、ストーカーなど題材にしながら、主人公の容子が性のことや生きることなど様々なことについて考えます。小説が苦手な自分がこの作品を楽しく読めたのは、この作品がエロくて先が気になったからです。そして途中からは村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」のように物語が脱線しつつ、展開があまりにも読めなくて一気に読んでしまいました。作中では女性が蹂躙されるけど、読んでいるこっちまでが蹂躙されるような作品でした。あと他の作品に対する言及が多くて、小説だけではなく、音楽や映画、ブログからの影響も巻末で挙げていて、その部分で重なるものがあったことも個人的には大きかったと思います。

 この作品はエロく、そして残虐だけど、穏やかな気持ちになりました。(★9)

 あと考えてみたら昨年は米澤穂信の「氷菓」くらいしか読んでいなくて、しかも感想も書いていないのでこれからちょくちょく書こうと思います。というかブログの更新頻度を上げたいです...