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 おもしろかったです。でもそれを説明しにくい映画だと思います。911で父親を失った少年が父の残した謎を解き明かすためにNY中を駆け巡る物語です。

 とても頭の良い子供だと思いました。物事をロジカルに考えて行動できる子です。だけどトラウマの影響で、彼は地下鉄やバスなどの公共交通機関を利用できなくなります。そんな中、彼が出会ったのは一人の謎の老人でした。その老人と行動を共にするにつれて、少年は今までのトラウマを少しずつ克服し、そして悩みを少しずつ吐き出せるようになっていきます。

 しかしある意味、この映画は救いがありません。自分は基本的にハッピーエンドが好きだから「宿題を解き明かしてトラウマも克服し、人間関係のこともきれいさっぱり解決!」という話が良かったけど、そういう人生において明快な結末を迎えることも多々あります。「釈然としないけどまあいいか」的な着地点まで、淡々と連れて行ってくれたスティーブン・ダルドリー監督の演出は良かったです。(★7)