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TVアニメーション「琴浦さん」OPテーマ::そんなこと裏のまた裏話でしょ?

 中島愛の8枚目のシングルです。3曲ともA面にして欲しいくらいの出来です。

 「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」は作詞は西直紀、作曲は進化系(?)ポップロックバンドSpiralSのhirao、編曲は同バンドのmukaiが担当しています。チープなサウンドと意図的にズラされた中島愛のボーカルが印象的な曲だと思います。クセがあるけど全体的にポップで中毒性があります。「コシコシ」とか「エロス」という語句を歌わせながらキュートに仕上げるセンスが良いです。個人的には「マクロスF」のランカ・リーがアイドルの下積みをしていた頃、もしかしたらこういう曲を歌っていたのかもしれないと想像しながら聴きました。

 「Mamegu A Go! Go!」は作詞・作曲・編曲は渋谷系/ハウス音楽ユニット・ROUND TABLEの北川勝利、ホーンアレンジは西脇辰弥が担当しています。千ヶ崎学、NONA REEVSの奥田健介、佐野康夫など凄腕のミュージシャンが参加し、その他にホーン勢も参加しています。スイングジャズの曲です。緩急を使い分けたアレンジが上品で、疾走感のあるサビに来た時にランカ時代の疾走感を感じました。一気に幸せになる感じが良すぎて泣けます。こういうライブでの再現を一切考えないところに美学を感じます。中島愛の周りには本当に素敵な大人が集まっていると思うし、彼女も確実にその期待に応えています。

 「素直」は作詞・作曲はシンガーソングライター・ゆりえとして活動しているCastella、編曲は窪田ミナが担当しています。ランカ・リー名義での「ホシキラ」や「ダイアモンド クレバス」を彷彿させるピアノバラード曲で、「マクロスF」の頃のファンは泣ける曲だと思います。後半のストリングスも美しいです。別の作曲家・アレンジャーを起用しながら、ある種以前と同じ手法を躊躇い無く使うところに制作チームの決意を感じます。清々しいです。

 個人的に「TRY UNITE!」のRasmus Faberのアレンジは中島愛には合わないと思っていただけに、今回のシングルは最高でした。中島愛だけどランカで、ランカだけど中島愛でした。この路線で突き進んで欲しいです。(★8)