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キミに100パーセント/ふりそでーしょん(通常盤A/初回プレス分)

 きゃりーぱみゅぱみゅは売れました。

 「PON PON PON」の頃から僕の周りで知らない人はいないくらい知名度が高かったけど、それでも「この儚げな変人っぽい子は僕のために歌っているしれない」というオタク的な淡い幻想が当時はありました。まあ、ありきたりな話で、アイドルでもバンドでも売れてない頃は「彼女の良さを理解しているのは僕くらいだ」的なある種のエリート感がファンのモチベーションになっているところが少なからずあったと思います。でも「つけまつける」あたりの頃から彼女はもう一般層を含むマスにアピールしまくっていたので、「あ、俺がついてなくても大丈夫だ」という寂しさと安心感が入り混じった気持ちになっていたところが、正直30%くらいはありました。

 で、満を持しての1stアルバム『ぱみゅぱみゅレボリューション』で一度お別れをしました。そういう人も少なくないと思います。ここまで来たら大丈夫だよね的な気持ちで送り出しました。

 ところがですね、売れまくっているにもかかわらず、どうも『ファッションモンスター』あたりから一度お別れしたはずなのにぐいぐいと引き寄せられるのです。単純に楽曲のクォリティが200%くらい伸びているのもあるけれど、どうもきゃりーが振り向かせている節があるというか。今思えば紅白出場を見据えたあたりから覚悟を決めていたんでしょうね。今までのものを全部引っぱっていくというか。

 「ふりそでーしょん」はありえないほどの名曲だと思います。これはもう2013年のベストソングに入るレベルです。「ありがとう みんなに会えて/いろいろなステキな体験をしたよ/今年も そして来年も/このわくわくをわすれないよ」と歌詞は、今までの感謝とこれからはじまる彼女の物語を祝福していると思います。20歳になることにネガティブなイメージばかりが先行している昨今ですが、本当はこの曲のようにとても幸せなことだと思いました。

 「キミに100パーセント」も名曲です。元ネタが知りたくなります。(★8)