editorsnote02
 2月はどうもありがとうございました。いろいろ喧嘩を売る記事を書いてすみませんでした。でも反響があるということを体感できたのは良かったです。今後も人に読まれる記事作りを意識して運営しようと思います。

 ネットは未だに音楽雑誌の代用品です。ナタリーがいくら全盛の時代だと言っても、未だに「WHAT'S IN?」といった音楽情報誌を読んで情報を得る人の方が多いと思います。僕がレビューをいくら書いたところで「ROCKIN'ON JAPAN」に太刀打ちできないし、そもそもそんなにレビューを書けません。一人でできることなど知れています。だけどナタリーは大山卓也が一人で「ミュージックマシーン」を運営していた頃からはじまっているし、「rockin'on」も渋谷陽一がリヤカーを引いて書店を回っていた頃からはじまっています。僕のブログがどこまで行けるかは僕の努力と運次第だし、成功を求めているかは自分でもわからないのですが、書くのが楽しいから続けます。今は作業量を増やしている段階ですが、最低限の作業量でも続けていけるようにしていくつもりです。

 この文章を書いている時点において、先ほど冗談半分で思いついた「今年のフジロックに出演するあまり知られてないけど良いバンド10組」の記事を編集していた時に、@hihiwoopieさん「monthly bandcamp: 02-2013」「10,000 TRACK PROFESSIONAL TOP CHART, February 2013」というおそろしく手間のかかる素晴らしい記事を投稿していました。文章を読みながら音源が聴ける理想的なネットの記事だと思います。

 自分は以前「洋楽ロック誌で新人が表紙に取り上げられないことについて」という記事で現状のネットに置ける洋楽メディアを整理・分類し、「「rockin'on」や「snoozer」に代わるメディアはない」と結論づけました。

 その後、twitterで反論されました。


 最初は誤読されたと思ったのですが、僕の中の「ネットは雑誌の代用品」という意識を点かれたのだと思いました。違うかもしれませんけど。

 ただ今でも音楽メディアの世界において相変わらずネットは現実の音楽雑誌の代用品だと思います。ですが雑誌の代わりの記事を提供したままではいつまでも負けたままなのです。

 以前も引用しましたが、田中宗一郎が「snoozer」を休刊する時にこう書きました。

snoozer - 音楽雑誌「snoozer」に関するたいせつなおしらせ
何かしらの音楽メディアとしてネットに移行することは一度たりとも考えませんでした。僭越ではありますが、正直のところ、我々が触発されたり、刺激を受けるものはありませんでしたし、我々自身がやりたいことでもありませんでした

 さっき「今年のフジロックに出演するあまり知られてないけど良いバンド10組」という記事を書き終えました。この音楽雑誌の作り手に刺激を与えられない状況を覆すためにネットでしかできない文体、デザイン、リズムを作り上げようと思い、試行錯誤して書いた記事の一つです。自分の理想の形にはほど遠いけど、そこそこはネットならではの記事かなあと思います。これからも精進します。よろしくお願いします。

今月の私的ベスト

細田守「おおかみこどもの雨と雪」
中島哲也「下妻物語」
園子温「恋の罪」
トラン・アン・ユン「青いパパイヤの香り」
スティーグ・ラーソン『ミレニアム 第2部「火と戯れる女」』
スティーグ・ラーソン『ミレニアム 第3部「眠れる女と狂卓の騎士」』
My Bloody Valentine『m b v』
HAIM『Forever EP』
Foals『Holy Fire』
坂本慎太郎『まともがわからない』
さしみ「のび太の人類補完計画:ll」
道満晴明「ヴォニッチホテル(2)」
森田崇「アバンチュリエ (5)」
大今良時「聲の形」