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マイ・ヘッド・イズ・アン・アニマル

 先日のフジロック記事を書いていた時に一目惚れしちゃったバンドなんですけど、すごくいいです。

 なにせバンド名がOf Monsters and Menでアルバムが「My Head Is an Animal」ですよ。どこまで動物・怪物押しで来ているか知らないけど、音楽そのものもディズニー映画の「ナルニア国物語」みたいですね。あ、一応「ナルニア国物語」の音楽に似ているというわけではないです。なんていうか基本的に人間や喋る動物とか存在する世界観を、わかりやすくポップに展開する感じが似てるということです。想像力に頼らないところがいいですね。

 音楽的にはindie folkど真ん中ですが、indie folkといってもMumford & SonsからFleet Foxes、Grizzly Bearまでいるわけで、Of Monsters and Menはどことなくアイスランド的な感じがします。具体的に言うと同じアイスランド出身のビョーク、シガーロスに似た雰囲気があります。ただ前述の2バンドよりもずっとポップでわかりやすいです。なんていうか沖縄の音楽でいうと大工哲弘、BEGIN、Cocco、MONGOL800、HY、ORANGE RANGEなど様々なバンド/アーティストがいる中で、HY的な位置づけかなあって思っています。民族音楽的な側面を残しつつポップなところがいいですね。

 この「Little Talks」は文句無く素晴らしいです。PVもどこかちゃんとポップに動物や怪物を描いている感じがいいですね。



 海外ではこういう民族音楽に根付いたポップミュージックを見ると、日本のフォークっていつまで経ってもシンガーソングライターでしかないことを痛感します。日本フォークはBob Dylanのようなフォークギター弾き語りが形を基本に、基本的には高学歴のシンガーソングライターのスタイルでしかない気がします。もちろんその流れが少しずつ変化して山崎まさよしとか秦基博、高橋優などが生まれてきているものの、現在の「indie folk」と日本の「フォーク」には大きな断絶が確実にあります。まあJake Buggですらindie folkに属するからジャンル分けしても仕方ないのですが。海外の視点だと曽我部恵一や七尾旅人はどのあたりに位置づけられるのでしょうね。

 こういう「Mountain Sound」のような民族音楽のダイナミズムを体感できるものは、日本だと沖縄の音楽くらいしかない気がします。



 いい曲だなーって思うんですけど、今PVを見て気づいたのですが、ボーカルがびっくりするくらいデブですね。「ダイノジ大地か!」「スカートのボーカルか!」って感じですね。まあ、別に見かけは関係ないんですけど。こういうところまでHYと共通しなくても...

 まだ結成3年目のバンドだけあって途中だれるところもあるけれど、「Little Talks」と「Mountain Sound」2曲が素晴らしかったので楽しかったです。もっともっとポップになっていいと思うけど、多分バンド的にはダイナミックな「King and Lionheart」や「Lakehouse」のような方向性にも興味があるだろうし、いろいろ試すと思います。楽しみです。(★6.3)

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