
週刊少年マガジン 2013年3月6日号 No.12
「週刊少年マガジン2013年12号」に掲載された大今良時の「聲の形」です。ネットやtwitterの反響に押されて話題になったけど、自分は普段から「週刊少年マガジン」を読んでいたし、大今良時版の「マルドゥック・スクランブル」を読んでいたので割と普通に読んでいました。反響の大きいことに気づいたのは「ニュー速VIPブログ」の記事を読んだ頃でした。そのあとネットメディアでいくつか記事が書かれていました。
今週のマガジンの読み切りが衝撃的だとネットで空前の大反響!!!!:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)
別冊少年マガジンの班長@betsumagaが以下のようにツイートしたように、聴覚障害者を扱うということで掲載をNGになったという経緯があったとのことです。
【聲の形】しかし、その受賞作はどこにも掲載されませんでした。内容のきわどさから掲載をNGとされてしまいました。その結果、読み切り作品を載せることがないまま「マルドゥック・スクランブル」で連載デビューしました。人気も取り、単行本も売れました。
— 別冊少年マガジンの班長さん (@betsumaga) 2013年2月19日
【聲の形】大今先生が読者に支持されるのを見て、やはりどうしても大今先生の受賞作「聲の形」を読者に読んでほしい、読んでもらうべきだという思いを捨てられず、大今先生の許可を取って、講談社の法務部、弁護士、そして日本ろうあ協会さんに作品をお見せし、協議を重ね、お墨付きをいただきました。
— 別冊少年マガジンの班長さん (@betsumaga) 2013年2月19日
結論から言うと、感動したと言いたくなるほどの作品では無いけど、普通におもしろかったという感じです。
最初に思ったことは「この耳の聴こえない女の子がブス、もしくは性格ブスだったら?」ということでした。それから「主人公の少年が最初からいい子だったら?」と。この作品の一番いいシーンは、本当に最後の場面なのですが、この作品の良さは聴覚障害という要素じゃなくても良かったように思えます。なんなら障害を描かなくてもいいくらいのように見えました。
この物語は耳が聞こえない子がある程度可愛くて、その子を苛めていた主人公が最終的にいい奴になるという楽観的な結末に支えられています。ある種ご都合主義といえる展開なのですが、その嘘が気持ちいいのです。もちろん「嘘くさい!」とか「かわいいからでしょ?」で切り捨てることも出来ます。しかし女の子に限らず人は全般的に見た目も性格もかっこいい/可愛い方がいいし、悪い奴だって改心すると思っていた方がずっと楽です。傷ついたような雰囲気を出して現実主義を気取ってる奴はめんどうなだけです。こういう楽観的な嘘を信じている人の方が気持ちいいです。
テーマは正直どうでも良かったけど、この気楽に読める感じが良かったです。「マルドゥック・スクランブル」に続く次回作、楽しみにしています。(★7)
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