
★8
セックス依存症の兄と恋愛依存症の妹の物語です。監督は往年の名優と同姓同名のスティーヴ・マックィーン。性器や乳房が山ほど映るけど、わりと淡々と描いた作品です。
この主人公は自宅のノートパソコンでライブチャットをする、デリヘルを呼ぶ、エロ本を隠す、バーで出会った女の子とやっちゃう、同僚とデートをするなど大変奔放な性生活を送った挙げ句、デートの最中に「結婚は無意味」といってしまうような自己中心的かつKYな男です。ノートパソコンに保存されているポルノ映像が上司に露出し、どうもアナルセックスの映像だった時に「お前のHDは汚れている」と怒られたりします。
ただ、これ、そんなに変なのかな。何が問題なんだろう。
確かに仕事以外の時間を全てセックス関連の時間に費やしていたらそう言われても仕方ないけど、でも彼は独身で妻子もガールフレンドもいないし、しっかりお金を稼いでやっているわけだから特別大きな問題はないかと。結構な色男だし、少しA型的な細かさはあるけど、ただ単にセックスが好きなのかなーと思いながら観ていました。こういう見方、異常なのかな。
むしろ彼の妹の方がひどい。恋愛に依存し、兄の上司である妻子持ちの男を好きになり、挙げ句の果てに兄が妹を助けるのは当然だと主張し、怒らした挙げ句、兄の部屋で自殺する始末。いやいやお前、すごく稼いでいるのだから普通に部屋を借りるなり、ホテル暮らしをすればいいじゃん。
映像的には性器や乳房が惜しげも無く露出したりしているわりに、エロさを煽っている感じは無くむしろ淡々と描いている感じ。男側からしたらあまりに普通過ぎて何が衝撃的なのかよくわかりませんでした。確かにセックス依存症の現実がそんなに華やかなものではないことを示したとは思います。とはいいつつも、主人公の男はそこから快楽を見出しているのも事実なわけで、正直、この主人公の男が不幸せなのかについてはよくわかりません。
しかし結論の出しにくい題材にもかかわらず、映像のセンスがあまりに良すぎてずっと観てしまうタイプの映画でした。おもしろかった。
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