TKY201109040077

★9

これはもう撮る側、観ている側の両方がボロボロになるための映画です。映画、AV作品を撮る平野勝之が女優、林由美香を撮ることを通して自分の本当の気持ちを知るドキュメンタリー作品です。AV女優を取り扱っているのですがエロい作品ではなく、ある男のごく真っ当な物語です。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明がプロデュースしているですが、ある意味エヴァに似てる作品だと思います。

諦観者であった平野さんがどんどん当事者になる、ならざるえなくなる様子は壮絶です。心を掻きむしられそうになる映像でした。表現とは何か、人を感動させるためにはここまでやらなければいけないのかと思いました。

個人的には前半はAV版「水曜どうでしょう」、中盤は平野勝之版「ヱヴァQ」だと思いながら観ました。途中、カンパニー松尾が何度も登場するのですが、彼が泣く姿をはじめて見ました。観ている僕も泣いていました。映像作家の業が描かれた作品だと思います。