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★7

監督は「007 慰めの報酬 」のマーク・フォスター。主演はブラッド・ピットで。原作は2006年のマックス・ブルックスのゾンビ小説。

最初に思ったことは、ゾンビ映画なのに怖くないことだった。もちろんゾンビ映画らしい、暗闇の中で主人公を震え上がらせるような場面が無くもないけれど、それはあくまでごく一部。基本的にはゾンビが太陽の下でうじゃうじゃと発生するので「こんなものか」という感じで冷静に見れる。中盤におそらくCGで、ゾンビが山ほど集合し、イスラエルの壁を乗り越えるという偉業を達成する。予告等で既に公開されている映像だけど、全然怖くないのに見応えがある。

最後まで生温くて、それが良かった。本当にさじ加減が絶妙でずっと楽しかった。ブラッド・ピットもその家族も、ゾンビから逃げまくる。ゾンビも人に襲いまくる。でも痛々しい描写はあまりない。一度だけ感染から逃れるために腕を切断するような場面があるけれど、そのシーンも成り行き上仕方なくそうしているにすぎなくて、直接的な残酷な描写は避けている感じ。

ゾンビ映画なのに怖くないし、主人公も基本的に働きたくない。でも他にどうしようもないから家族のために働く。映画なのにがっついていない。そんな映画がそこそこウケているのもおもしろい。ブラッド・ピットが演じる主人公がいい感じだったのだと思う。

ちなみにこの映画は続篇が決定している。この1作目自体はすごく良かったけど、この雰囲気が続くわけが無い。