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★6

相変わらず悪趣味な作品だった。

フィクションとはいえ少女に命のやりとりをさせたTVシリーズの時点で悪趣味なのに、それを超える不快な仕上がりだった。おもしろい物語は登場人物に過酷な運命を強いるものだけど、それでも例えばエヴァのような男子高校生に過酷な運命を背負わせるほうがまだ心が痛まない。何より「まどマギ」の場合、あれほどの仕打ちをしながら救いがないところが悪趣味。

今回のターゲットは暁美ほむら。元々彼女はTVシリーズにおいても間違いなく一番不幸な少女なのだけど、今回は今までの過去の仕打ちが何だったの?と言えるくらいにひどいことをさせられる。にもかかわらず彼女は自分を貫く。その悲壮なまでの覚悟がますます痛々しい。さらにひどいことに、今作において彼女には理解者がいない。それどころか本来最大の理解者でならなければいけない人物にさえ彼女の行為は否定される。だけどそれでもほむらは愛を貫く。まあ言わされるわけだけど、本当に悪趣味以外の何物でもない。虚淵さん、いい趣味してるよ。

TVシリーズは不幸のジェットコースターで、それをテンポよく楽しめた。しかし今回はさすがに引いた。その差が今回の賛否両論を生み出しているのだと思う。観る人が見れば最初の5分で悪趣味だとわかるけど、それでも中盤までは楽しかった。ミステリー感覚で解き明かされていく謎、そして本来の「魔法少女」モノ特有の少女たちの華やかな登場シーンは趣向が凝らされて目が楽しかった(ただし悪趣味)。映像は一級品。しかし結末を楽しめるかで評価は変る。僕は駄目だった。でもきっと次も観る。

あと今回は巴マミのおっぱいが印象比1.5倍で大変けしからんことになっていた。あとあれほど嫌いだった美樹さやかが好きになった。彼女は飄々としている時がすごくいい。

それと劇場版のOPは「ルミナス」で良かったんじゃないかな。あと「Magia」も流してよ。