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★5

メンバーが変わり、タルトタタン第二期の最初のアルバム。率直に言って、普通に良かった。ソングライターが真部脩一&西浦謙助のユニット、アゼル&バイジャンから様々なアーティストが参加する形になった。先日逝去したbloodthirsty butchersの吉村秀樹が参加したことは今回のアルバムの一つの大きなトピックだと思う。そんな中、個人的には杏窪彌の坂部翔の「tokyo eyes」と「蝶の舞」が良かった。杏窪彌については以前「歴史 de DANCE」のPVを観た時にその演奏のゆるさがいい感じだったけど、今回の敏腕サポートメンバーがしっかり演奏してもその良さが崩れないことが今回個人的にうれしいことだった。

他にもtofubeatsの「keep in time」や田渕ひさ子の「close」が好き。以前のタルトタタンの世界観を引き継いだ西浦謙助の歌詞も良かった。

今回はポスト相対性理論の位置からの脱却がひとつのテーマだったはず。それは成功した。だけどタルトタタンの神秘性が薄れたことから、前ほど興味が持てなくなった。真部脩一、西浦謙助、津野米咲、田渕ひさ子、坂部翔というロック畑の才能が集う場を今後存続させる意義があるのか。それは次の一枚で決まるはず。タルトタタン自身の意志の強さは今のところ感じない。