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★6

原爆を作ることは夢があるのか?を問いかける映画だと思う。

作品自体はシンプルだ。原子力発電所からプルトニウムを盗み出した高校教師が原爆を作り出してしまう話。その高校教師を沢田研二が演じ、それを追う刑事を菅原文太が演じた。

テーマ自体はすごくいい。夢がある。まあ作ったところで国を脅す材料くらいにしかならないのが現実だと思う。例え自分がノーリスクでプルトニウムを入手できてノーリスクで原爆を作れたとしても、正直途方に暮れてしまうだろう。主人公の沢田研二も実際そうなった。

しかし原爆を持っていたからこそ、権力をほしいままにし、池上季実子に出会うことができた。そして菅原文太と対峙することができた。それが幸せなのかはわからない。僕の感想としては、彼は原爆を作らずに退屈な人生を全うしたほうが良かったように見えた。でも本当のところはわからない。この映画が描き出しているものは、権力を手に入れてしまった男がそれを持て余し、奈落へと落ちていく姿だと思う。だけど僕はそこに夢を見出してしまう。なぜだろう。

テンポ感が合わなかったけど、それ以外は楽しめた。カーチェイスは素晴らしかった。あと、沢田研二は銀杏BOYZ峯田に似すぎだと思う。