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★7

これがハリウッド版ドラゴンボールだったら良かったのに。

2013年の2大オタク映画の片割れ『パシフィック・リム』はどう考えてもハリウッド版エヴァだけど、『クロニクル』は何度考えてもハリウッド版ドラゴンボールだった。あくまでモチーフの引用のレベルに留めているけれど、それでも充分に日本のSFオタクのツボを付く題材だと思う。もちろん物語の流れはDBとは全然違う。DBにおける主人公の悟空の力は先天的な才能と爺さんのスパルタ教育の賜物だけど、『クロニクル』の3人の高校生たちはたまたま超能力を手にするだけだ。そして成功と破滅の両方を経験する。DBはバトルコメディだけど、『クロニクル』はダーク青春SFだと思う。

それでもこの映画にDBを感じるのは、「こういうDBが観たかった」の理想型があるからだ。『マトリックス』のようなワイヤーアクション型カンフーではなく、ただ超能力を持つものの純粋な殴り合い。そして空中戦。ここまでネタバレを書いちゃったからついでに書くけど、衝撃波もある。それをJ・J・エイブラムスの『クローバーフィールド/HAKAISHA』のような擬似ドキュメンタリー方式で撮影するのも見事だった。

ちなみに続編の制作も決定している。観れば分かることだけど、この映画と同じスタイルで撮るのは不可能だと思う。これはきっと『2』の序章。ここからが本番なはず。