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★8

今一部界隈で話題沸騰の『テレクラキャノンボール』。その最初の3作が収められた作品。

作品とは関係のない話だけど、昔一度だけナンパをしたことがある。正確には友達とクラブに遊びついでにナンパをするというゲームをしていて、自分はまったくそれができない結果に終わってしまった。今では懐かしい思い出だけど、よくよく考えるとあれほど無力感を味わったゲームもなかった。

この作品ではナンパのプロのいちはらカズ、そしてAV監督のカンパニー松尾、バクシーシ山下、そしてAV男優の花岡じった、平本一穂が現地でテレクラ/ナンパのスピードを競うのだけど、それはもう大変な戦いを強いられることになる。現地で女性を見つけ、口説き、ギャラを支払うことが前提の撮影を交渉する。今のAVでは考えられないような生々しい映像が溢れている。これこそがまさにエログロ。最初の絡みは壮絶で、もしこれが僕にとってのはじめてのAVだとしたらトラウマになったはず。

しかし彼らはそれを躊躇しない。なぜなら男の子だからだ。

男の子は勝負事に弱い。彼らは負けたくないし、勝てば勝つほどますます地雷に自ら足を突っ込んでいく。そんな馬鹿丸出しの男たちの映像が収められていて、それはもう死ぬほど笑える。AVだけどむしろ笑えるシーンのほうが多いし、実用性を考えるとひどい作品だと思う。

しかし決められたスケジュールに則ってゲームを進めるのに、想像もつかないような事態が次々と起こる。遊びではじまった企画なのに、プレイヤーたちはどんどん狂気に身を委ねる。果たして我々は一体何の映像を観ているのだろうか。さっぱりわからない。だけど入り口で笑えるので何度も観てしまう。男の子ってやっぱりかっこいいし、自分は男の子になれなかった人間だと思い知らされた。

でもカンパニー松尾もこの仲間たちがいたからこそ男の子になれたのかもしれない。仲間って大事だ。