f6a00ddd7f93d483a209a5b6280ac893226d2731_m

ずいぶん時間が経ってしまって多少今更感があるけれど、書かないと後悔しそうなので。

今、渋谷にアクセスできる人はぜひ劇場版を観に行って欲しい欲しい。残念ながら僕は劇場版の方は未見だけど、すでに10時間のDVDを2回観た。アダルトビデオとか映画とか、そういうカテゴリにとらわれないで観て欲しい。絶対に死ぬほど笑えるから。

内容はシンプル。6人の映画監督がバイクでレースしたり、ナンパして女の子を捕まえるレース。それだけのことに30から50近いおじさんたちが少年のようにムキになって必死に戦う。それだけの映画なのに目が釘付けになる。

「ヤルかヤラナイかの人生なら、俺はヤル人生を選ぶ」

このフレーズには未見の方には絶対に想像がつかないような色々な意味が込められている。たとえば僕らは人生において自分を殺すような選択に迫られることもある。このレースに出場する6人の男たちも例外ではない。普段は嫌な仕事もしているはずだ。でもだからこそ、そういう「ヤラない」自分をふるい落とさなければいけない。それがキャノンボールという場であり、男たちは次々と狂気に身を委ねていく。

自分は松尾さんの作品が大好きでいつもお世話になっているのだけど、普段の作品では孤独が色濃く投影されている。しかし『テレクラキャノンボール』ではそういう側面がほとんどない。本当に戦わなければいけない時は自分ひとりだけど、でもそれ以外の時は仲間がいる。なんて素晴らしいだろう。

今回はバクシーシ山下さんが本当に男前だった。みのるさんがあのライターを出した時、ドグマファンの自分は泣きそうになった。初参加の若手の3人も男らしかった。ボールガールの2人は神だった。

この映像を見て1ヶ月経つけど未だに興奮が収まらない。他の映画が観れなくなるほど。できることなら僕も渋谷に行きたい。





あと美術史家の渋澤怜さんが書いたレビューが素晴らしかったのでこちらもぜひ。最初に掲載していたところはなぜか削除していたけど、こちらで読めます。

CRUNCH MAGAZINE / 「テレクラキャノンボール2013」がエモい

あと初期3部作が収録された総集編についての僕の感想もよかったら。

pitti blog / 『テレクラキャノンボール BEST 8時間』

あと主題歌のWeekday Sleepersの「Passion Fruits Telecrider」は作者のホームページで無料ダウンロード可能なので気になった人はぜひ。

Weekday Sleepers / Weekday Sleepers『OK Alive』

本当はまだまだ書きたいことがあるけれど、何を書いてもネタバレになるので別の機会に回します。本当に今年の映画No.1の作品なのでぜひ!(映画なのか意見が分かれそうだけど)