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8月2日鑑賞。とてもおもしろかった。「るろ剣」は小中学生の頃に原作のマンガを熱心に読んでいたから筋立てがわかっていたけど、映画はいい意味で原作をトリックとして活用している。つまり原作とは別の展開を見せることで予想がつきにくい展開になるのだけど、それが全然嫌ではない。むしろ原作が作画の制約上泣く泣く断念したであろう真のルートのように思えてくる。その結果、今回のほぼ主役と言っても過言ではない志々雄真が更におもしろいことになっていった。

そもそも「るろ剣」は、アメコミオタクの和月伸宏の作品だけあって、ジャンプ作品にはあまりない「バトルインフレが起こらない」「ダークな部分を描く」という側面がある。しかし00年代のアメコミヒーロー映画、具体的には「スパイダーマン」と「ダークナイト」以降、 ダークヒーロー映画がより刺激的に作られたこともあって、「るろうに剣心」の価値は時代とともに埋没していった。そういう意味で、00年代半ば以降のアメコミヒーロー映画と「るろうに剣心」を結びつけた大友啓史は偉い。アクションシーンのスピード感は、世界を見渡しても随一だと思う。前作から良かったけど、今作はさらにスピード感が増していて見応えがあった。

やっぱりね、冒頭の志々雄真と斎藤一のシーン、あれって原作のアジトだと思うのね。あの時点で原作に別れを告げていることにしびれた。(★9)