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愛を読むひと (完全無修正版) 〔初回限定:美麗スリーブケース付〕 [DVD]

 スティーブン・ダルドリー「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」が良かったので、この作品もチェックしました。まあ本当のことを言うと、完全無修正版というのを見てエロそうだなーという思惑があったのですが、その思いが裏切られる以上に全然エロくなかったです。前半はやってばっかなんだけど、むしろ男の子の方がエロかったりします。自分にその気はまったくないですけど。

 基本的には「年上の彼女」的テーマが少しいっちゃってたというか、多分30歳後半のハンナ(ケイト・ウィンスレット)と15歳の男子・ミヒャエル(レイフ・ファインズ)恋愛の物語です。で、まあ、それ自体はそういうのが好きな方々には魅力的なテーマ(なんか遠藤遊佐さんみたいになってきた...)ですけど、そこを官能的に描く気はなかったみたいです。セックスシーンはあるけど、全然扇情的ではなく実務的。まあ自分は基本的に実務的なAVが好きな人間だと思っていたのですが、この映画のシーンに関してはもう次元が違いました。なんていうか、PG-12(DVDだとR-15)指定のために、ここまで抑えた演技をするのかと。まあそれらのシーンに関しては話の本筋には関係ないのですけど。

 後半はミヒャエルがハンナと別れて数年経過し、ハイデルベルク大学の法科習生としてナチスの戦犯の裁判を傍聴する場面からスタートします。そこからはもう壮絶にテーマが重いです。ここあたりから「騙された!」と思った人が多いはずです。

 その最後の最後の場面にこのドラマの意味を集約させる描き方は素晴らしかったです。最後の最後でアカデミー主演女優賞の意味が分かりました。最後の場面は本当に凄かった。(★5)