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EP Delicious - EP - Peace

 Peaceは2010年に結成されたイギリス・バーミンガム出身のバンドです。先日、音楽関係者がその年の有望な新人アーティストを選出する「BBC Sound of 2013」にもノミネートされ、また日本ではSUMMER SONIC 2013への出演が決まるなど注目を集めています。過去にMyster JetsやThe Vaccinesのツアーサポートを務めていました。メンバーは以下の4人です。

Harrison Koisser - vocal, guitars
Samuel Koisser - bass
Douglas Castle - guitar
Dominic Boyce - drums

 この『EP delicious』ではArctic Monkeysの『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』やAdeleで知られるJim Abissがプロデューサーを務めています。また3月25日にアルバム『IN LOVE』のリリースが決定しています。

 正直、最初に気になったのはスイカのジャケットでした。2曲目に収録されている「Bloodshake」を聴いてからおもしろいと思ったのですが、弾むようなリズムなんだけどどこか土着的な感じがおもしろかったのだと思います。ただこの曲のPVを観た時はあまりにかっこ悪くてひっくり返りそうになりました。その後3曲目の「California Daze」の穏やかなバラードを聴いて、想像していたよりもずっと器用なバンドだと思いました。

 ですが本当に驚いたのは4曲目の「1998」を聴いてからです。Binary Finaryのトランスナンバーをカバーしているとのことですが、僕は原曲を知らないし、そもそも原曲の形をとどめていないカバーだと思います。ただこの曲は壮絶に良くて、あくまで例えですが本来的には後期globeのような小室哲哉の曲をカバーにしたにも関わらず出来上がったのはRadioheadみたいな驚きがありました。そして困ったことにこのEPの中で確実に一番良いのです。さらに困ったことにiTunes Storeだと「1998」だけ単曲で売っていません。まさか、確信犯?(★7)