Some Nights

　このQueenを丸パクリの声で歌いながら怒られないのは時代のせい？とか思いつつ、このサスペンダーをつけた優男、なかなかやるどころか、もう脱帽です。完膚なきまでにやられました。アルバムタイトルを「サム・ナイツ ～蒼い夜～」、「We Are Young」を「伝説のヤングマン～ウィー・アー・ヤング～」と最悪の日本語訳にしたレコード会社に代わって勝手にお詫びます。本当にすみませんでした。最初はバカにしきっていたのですが、TSUTAYAで流れていた「Carry On」を聴いた時から大好きです。



　Fun.はロックバンドらしいロックバンドだと思います。強いメロディー、ロック特有の高揚感と一体感、そして実験性を兼ね備えています。これこそRadiohead以降の時代の本命かと、というのは言い過ぎか。でも この間まではVampire WeekendかArcade Fireあたりがそうなのかなって思っていたし、最近のThe Strokesの新作もかなりいいけど、今登場したことを考えるとfun.が本命かなあと。いや、ちがうのかもしれないし、この雑多なシーンの有り様がRadiohead以降のロックの特徴なのかもしれないですけど、要は「そのくらいすごいアルバムだよ！」ってことです。

　しかしなんなんですかね。MUSE、サカナクションのコーラス、そしてfun.というふうに、Queenの遺伝子を感じさせるバンドの台頭、にもかかわらず「ハードロックの復権」的な声が一切聞こえないのは。業界全体が売り出し方に困っている感じがするのですが、そんなこととは無関係にこのアルバムは最高ですね。というか、このアルバムはロックを知っている人ほどに混乱してしまう感じがするのですが、普通に良いロックアルバムだと思います。フジロックでは夕暮れのGREEN STAGEに来て欲しいです。フジロックに行かないけど。でも後でTV放送されたらちゃんと観るので。（★8.0）

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