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 BUGY CRAXONEが5月15日にリリースされる10作目のアルバム『いいかげんのBlue』収録の表題曲のPVです。ブージーは昨年4年ぶりのアルバム『Joyful Joyful』をリリースし、そしてこのたび11ヶ月ぶりにアルバムをリリースします。

 元々ブージーについては2002年頃にチバユウスケと共演した「人と光」は知っていたのですが、それ以外はほとんど知りませんでした。でもたまたま視聴して好きになった前作『Joyful Joyful』は、2012年に自分が聴いた音楽の中で最もロックなアルバムだったのです。ジャンル的にはオーソドックスなロックで、パンクやミクスチャーのように盛り上がったり、大合唱になるタイプのロックでもありません。しかし『Joyful Joyful』には日常をタフに生き抜く等身大の姿が映し出されていました。真っ当なロックアルバムでした。

 というわけで、次の作品を楽しみにしていたのですが、待ち望んでいた新曲を聴いてびっくりしました。最初は「これは、歌なのか?」と思いました。



 例えばASIAN KUNG-FU GENERATIONの「新世紀のラブソング」とかDragon Ashの「陽はまたのぼりくりかえす」のように、ロックだから歌を歌わなければいけないルールはないわけです。ラップをしてもいいし、ポエトリーリーディングみたいに歌詞を呟いても、結局は曲が良ければOKなわけです。最終的にボーカリストがいなくても、インストを中心としたロックバンドもいるし、サンプリングした声をボーカル代わりに使用するのもアリなのです。

 にもかかわらずみんなが真面目に歌を歌うのは、やっぱり歌がエモーショナルな表現だからです。やっぱり歌は良いですね。いくらクラブミュージックを取り入れたとしても、僕は電気グルーヴだと「Shagri-La」が好きだし、サカナクションだと「アルクアラウンド」が聴けるとうれしいわけです。だからといって歌以外を否定するわけではありませんが。

 と、長い前置きした上で言いますが、ブージーがやらかしてくれました。

はいみんな、また会えてうれしいって感じだよ
泣けちゃうような今だけど、元気だよって言いたいよね
親切な日々とシンプルなルール
今、世界と向かい合ったところだよ
I CAN DO IT, STANDBY OK
WE CAN DO IT, みんなもOK
I CAN DO IT, STANDBY OK
WE CAN DO IT, ハートはいいかげんなBlue

 ポエトリーリーディングでもラップでもない、こんな馬鹿みたいな問いかけ(?)から歌がはじまるのかと思っていたら、鈴木由紀子(vocal, guitar)は基本的に歌わないという展開。サビは全員の合唱。「どSか!」とツッコみたい気持ち山の如しですが、困ったことに最高なのです。言葉遣いがロッカーというか、少し悪ぶっているところにガレージらしさを感じてニヤニヤしてしまいます。

 自由だなあ。5月15日のアルバム、超楽しみです。