もうリリースからずいぶん時間が経っているし、レジーさんのブログやDJホームランさんのレビューのように気のきいたことは全然思い浮かばないのですが、なんていうか、間口の広いアルバムだと思いました。
要はJ-POP、アイドル、ヒップホップ、ハウスがごた混ぜになったアルバムだと思います。とっかかりを見つけることができたらするっと聴けるアルバムだと思います。つまりアイドルオタクや重度のヒップホップ患者が日常的に聴くというよりも、ジャンルを問わず軽く聴けるアルバムなのかと。「SO WAHT!?」で仮谷せいらの可愛すぎるボーカルに痺れた人でも割と最後まで聴けると思います。まあそれが無理でも南波志帆の「LOST DECADE」は絶対に聴くと思います。
それで少し聴き進めると日常的に聴くアルバムとしては少しおかしいことがわかります。明らかに狂っているというか、脳内麻薬がドバドバでてしまう箇所があります。「m3nt1on2u」がそれに該当します。音圧を他の曲とあわせているのでするっと聴けてしまうけど、明らかにこの曲がカフェとかで流れたらおかしくなるというか。でまあ、リミックス等でtofubeatsに馴染んでいる人はここで「おっ!」と思うわけです。dj newtown名義の「flying between stars(seikan-hiko)」や曽我部恵一バンドの「ロックンロール tofubeats remix」で馴染んでいるだろうし。あ、考えてみたらPUNPEEの「Les Aventuriers」も相当狂ってますね。
やっぱり曲を切り刻んで貼付けるリズム感が抜群で、多分日本ではこれから「tofubeats以降」と言われる人になると思います。違うかもしれないけど。でも自分の中では既に小室達哉と中田ヤスタカに並んでます。まあ本人はそう言われるのが嫌らしいですけど。
CINRA.STORE - ネット世代のクリエイターが向かう先 tofubeats×error403対談
tofubeats「マルチネもまさにそんな感じだと思うし、僕も小室哲哉と比べられるよりも、オカダダ(Maltine Recordsから作品をリリースしているDJ / トラックメイカー)と比べられる方が緊張感あるっていう。」
確かにオカダダのDJはUstreamで観た時は凄まじく良かったからわかります。でも仕方ないよ。あなたは日本の音楽シーンの大谷翔平なんだから。
将来的にDaft Punkの『Random Access Memories』みたいなアルバムを作って欲しいと思いました。要は自分が聴いて来た音楽を、当事者を引き連れて再構築する作品。そういう、なんていうか、過去と現代を繋げることができる希有なアーティストだと思います。(★9.1)
それで5月17日に生のtofubeatsを観てきたのでそのうち感想を書きます。
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