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楽しみにしていた清竜人の新作だけど、残念ながら最後まで聴けなかった。どうしても途中で止めてしまう。今作は彼の中のフュージョンを掘り下げた作品だけど、今までのロック、アニメの要素の加えてオペラっぽさも混ざりごちゃごちゃした印象。『MUSIC』もその音楽的要素の濃厚さから椎名林檎の『加爾基 精液 栗ノ花』を連想したけれど、今思うとあれは椎名林檎の宗教性に依存することで成立していた。清竜人のナイーヴさはキャラクターとして面白いけど、宗教性とは少し違う。
『MUSIC』では佐藤聡美に「りゅうじんのエッチ! ヘンタイ! ムッツリスケベ! エロ親父! 鼻の下伸びてんだよ! ほんと最低! 近寄らないでよ!」と言わせるM気質を見せつけていたけど、今思うとこの人、天性の変態だと思う。前作の「KIYOSHI RYUJIN」の「ぼくとソープランド」では「限りなく実話に近いもの」と前置きしつつ、赤裸々に風俗体験記を歌にしていた。普通に考えるとそんなことを歌にしてもいいことがないし、女性ファンから引かれる場合だってあるはずなのにそれでも歌にしてしまう。
そして今回は日本語と英語が入り乱れた歌詞、そしてフュージョンの要素。『MUSIC』以上のハイテンションで歌詞も爆発しきってて、赤裸々なのかフィクションなのかさえよくわからない。正直に言うと歌詞をきちんと捉えようとさえ思わなかった。表現的には振り切っているのだけど、残念ながらサウンドそのものは普通。TOKIE、ASA-CHANG、山本タカシというお馴染みのバンドメンバーがレコーディングにようやく登場したけど、そもそもロックな面々をどうしてこのアルバムで起用したのかが理解できない。予算は割りと貰えていそうだから、時間の制約があったこと、それと『MUSIC』の経験を使ってみたかったことがそうさせたのかも。
ただ自分には無理だった。とりあえず次は歌らしい歌を作るとか、堀江由衣に「インモラリスト」を提供してセルフカバーするみたいな展開を期待してる。でも天性の変態だし、どうも周囲がそれを許してるみたいだし。
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