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★8

三浦しをん原作の、辞書を作る人の物語。監督は石井裕也。主演は松田龍平。

松田龍平は『あまちゃん』でのミズタクや『まほろ駅前多田便利軒』での行天などで、わりと変わった人ばかりやらされているのに、ここぞという場面で静かな闘志を燃やす姿がかっこいい。今回も終盤のもがき苦しむ姿がかっこよかった。その彼を後方支援するオダギリジョーの飄々とした姿も良かったし、妻を演じた宮崎あおいも良かった。最初、宮崎あおいに調理人役は適さない気がしたけど、それ以外の所作や感情の発露があまりに良くて最後は好きになってた。伊達じゃない。

正直、三浦しをんの文体はそれほど好きじゃないけど、この人の扱う題材や話の持って行き方、キャラ作りはおもしろい。だから映像化するとすごく良い。映画になった『まほろ駅前多田便利軒』は微妙だったけど、ドラマの方の『まほろ駅前番外地』は最高だった。石井裕也の演出も丁寧で良かった。もう少し舞台作りを凝ってほしいけど、それくらいしか文句が思いつかない。