★5
アルバムとしてはあまり良くない。ただ良い曲が5曲もある。
具体的にはシングルとしてリリースされた「Hello, 999」と「全.力.女.子!」は作りこまれている上、ストレートにかっこいい。シングルとしてリリースした時のジャケットが最悪だったくらい。そして初期を彷彿させるロマンとスリルに満ちた「kiss kiss」、それに疾走感溢れるインストナンバー「virgin」は鳥肌が立つくらいかっこいい。こういう夙川をずっと待っていた。アルバム最後を飾るバラード「Change」に泣きそうになる。
しかしこのトップを飾る「Boys and Girls」はどうだろう。あまりにゆるすぎないか。まるで子供向けのロック入門。確かにサビの《必殺技で 君のハートを射止めたい》の幼稚性はロックそのものだけど、やっぱり今までとのギャップに腰を抜かした。他にも随所に挟み込まれる(推定)シンノスケのボーカル。疾走感溢れる「Hello, 999」でピークに達したところで「It's all lie」をぶっこむのは一体どういう了見なのか。正直ずっこけた。そして後半リンダ渾身の「全.力.女.子!」の後にもシンノスケのバラード「MA.CHI.A.WA.SE」がぶち込まれる。確かにいい曲だけど、このタイミングで聴きたくない。その後の「マインドサーキット」でシンノスケ2連発。
このアルバムは悪い意味でスリルに満ちている。ただ困ったことに慣れてくる。シングルとして作りこまれた完成度の高い曲とシンノスケのゆるいボーカル曲との落差に病み付きになる。でも誰か止める人間がいなかったのかと思わなくもない。
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