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★10

生きていてよかった。

ドラマ終了後、能年玲奈が紅白関連で天野アキの格好をしてテレビに出ているのを見ているのがつらかった。自分はユイちゃん派だったので橋本愛が『ハードナッツ!』で恋する天才女子大生を演じてくれたおかげであまロスから抜け出すことができた。まるで能年玲奈(と大友良英)だけが居残りをさせられるような日々。正直紅白にも出てほしくなかった。美保純が『5時に夢中!』で「ハンテン着せられて踊るだけでしょ? 3秒くらいしか映らないのに、大みそかに待機してたくない」と話していたけど、それはファンの総意だった気がする。

でも宮藤官九郎はやってくれた。台本を書いてあまちゃんと紅白を繋いでくれた。北三陸から吉田副駅長そのままの姿で中継してくれた荒川良々だけじゃなく、ベンさん、観光協会長、組合長、安部ちゃん、メガネ会計ババア、弥生さん、駅長が忘年会をしている。天野春子も鈴鹿ひろ美も、そして先をひた走っているはずの橋本愛、否、ユイちゃんもいる。いなかった人もいたけど、多くの人が集った。きっとミズタクもカメラを回していたはず。

紅白の会場で天野アキとGMT、アメ女、そしてベイビーレイズの面々が「暦の上ではディセンバー」を歌う。そこからユイに呼びかけるアキ。生演奏で始まるオープニング。そして第157回「おら、紅白に出るど」のテロップ。鉄拳のアニメが全ての障害を取り払う。警備員に止められて相変わらず正宗はステージを見ることができない。ユイがとうとうトンネルを抜けた。夢が現実になったアキとユイの「潮騒のメモリー」、そしてとうとう現実の世界に舞い降りた天野春子。おまけに鈴鹿ひろ美も下から出てきた。クドカンと宮本信子が笑いながらそれを観ている。

現実と夢の境界が揺らぐような15分だった。これは現実の世界の僕らの夢であり、物語の中のみんなの夢でもあった。嗚咽が止まらなかった。紅白歌合戦の1コーナーでありながら、それでいて確かに『あまちゃん』の新作だった。有働さんが次につないだところまで完璧だった。

今年の紅白は特別だった。EXILEのHIROの引退とか、唐突に発表された大島優子の卒業とか、そして感極まりすぎて歌にならなかった北島三郎とか、どうでもいいこともあった。でも能年ちゃん以上に天然っぷりを発揮した綾瀬はるか、そして個人的にすごく良かったサカナクション、aiko、西野カナ、TOKIO、ドリカム、きゃりー、Perfume、石川さゆり、美輪明宏、泉谷しげる、いきものがかり、高橋真梨子、SMAPという日本最高のアクト。歌い手もさることながら、紅白はカメラワークが本当に素晴らしかった。

でもやっぱり一番はあまちゃんで、鳥肌が立ったのは薬師丸ひろ子が出てきた時。本当に生きていてよかった。ありがとう2013年。

2014年、明けましておめでとう。今年もよろしくね。