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ドラマとしては4年ぶりの『トリック』シリーズの新作。
以前、初回だけ観たドラマ『ハニートラップ』では仲間由紀恵が、いくら人妻の悪女役とはいえ、歳を取り過ぎて悲しくなったけど、トリックではいつも通り。もちろん14年トリックをやっているのだからさすがに歳はとってるけど、「きゃははは」と笑う姿を見ていると「仲間由紀恵が大好きだ!」と言いたくなる。これこそがトリックの醍醐味。今公開されている映画は『トリック劇場版 ラストステージ』と銘打っているものの、なぜかドラマの放映の方が遅い。みんな、わかっている。ただの商売だと。
いいんだよ、それで。
先日NAVERまとめで「年50本以上邦画を観た人が選ぶ 2013年地雷邦画ランキング」という記事でぶっちぎりのワースト映画を獲得していた堤幸彦。映画オタクの馬鹿どもは全然わかってない。ドラマ本編が終わって明らかに続けることが難しいシリーズであっても続編の要請があれば迷わず作る。頼まれた映画は全部撮る。なぜなら堤幸彦は根っからの職業監督だからだ。『ケイゾク』も『SPEC』も明らかにドラマ本編終了後作品のクォリティが下がっていったけど、そんなものは本来的には監督のせいではない。どんなクソみたいな原作/脚本であろうと断らない。なぜならそれを望む人がいるからだ。それはファンなのかもしれないし、広告代理店かもしれない。とにかく撮る。それが堤幸彦なのである。
今回のドラマ版トリックは間違いなく傑作。以前から金田一耕助シリーズのネタを散りばめたシリーズだったけど、今回は真っ向から「犬神家の一族」を扱う攻めっぷり。スケキヨにしか見えない謎の人物。そして後味の悪い結末。そして謎を解くことしかできない主人公二人。三十路を過ぎても関係に進展はない。それでいいのだ。それが観たかったのだ。
そういうわけで近いうち映画の方も観てきます。どんなにクソであろうと構わない。鬼束ちひろの「月光」が聴けるというだけで号泣確定だから。
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