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アルバム『sakanaction』からは10ヶ月、シングルとしては約1年ぶりの作品。にもかかわらず、全然久しぶりな感じがしないのはその間2ヶ月に及ぶ大規模ツアーをし、夏フェスに出て、DVDをリリースし、年末フェスに出て、なおかつ紅白歌合戦に出ていたからだ。
ROCKIN'ON JAPANのレビューで小野島大さんがこう書いていた。
もしサカナクションが海外のバンドなら1年の間に、『sakanaction』ほどの力作・大作を作り、セールス面で結果を残し、長いツアーもこなし、大会場でのリアル・サラウンド・ライヴなんて大実験を成功させ、世界最高水準のライヴビデオを出したら、絶対に3年は休むはず。
休みなよ。音源を聴く前からそう思ったし、音源を聴いた後もそう思った。過労死直前のサラリーマンみたいで、怖い。
「グッドバイ」
「グッドバイ」も「ユリイカ」も初期のサカナクションらしい曲だと思う。ギターロックとクラブミュージック、どちらでも居心地の悪さを感じ、その結果、自分たちの居場所を作るために前に進むしかなかった『GO TO THE FUTURE』の頃の彼らがここにいる。
東京に出て、そしてこれまでに6枚のアルバムを制作し、紅白歌合戦にまで出るような成功を収めたバンドのボーカリストが「グッドバイ」でこう歌う。
探してた答えはない
此処には多分ないな
だけど僕は敢えて歌うんだ
わかるだろう?
此処には多分ないな
だけど僕は敢えて歌うんだ
わかるだろう?
この曲は成功を手にしたバンドが「此処には多分ない」という居心地の悪さから最後まで解き放たれない不幸を僕らリスナーが見守る、そんな構造の下で響く曲だと思う。事務所やレーベルからの独立を選択肢に入れるべき時期が来てると思うよ。
「ユリイカ」
MVの趣味が悪すぎる。そんな大仰な曲ではない。OMBという製作会社、すごく嫌。
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