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顎がはずれるくらい凄かった。
今の相対性理論がどこを目指しているのかがよくわかるライブだった。とても肉体的な音を鳴らしていて、音源で聴くよりもずっとだれにでも伝わる方向に向かっているように感じた。
吉田匡、itoken、山口元輝加入の影響は想像以上に大きい。彼らは全盛期のレッド・ツェッペリンやZAZEN BOYSに匹敵するほどの音を鳴らしていた。
僕にとって今回のライブが相対性理論の初体験だったけど、彼らがこんなにすごい音を鳴らすのは完全に想定外だった。

そんな最強の音が鳴り響く中、やくしまるえつこが放った言葉がこちら。


脱力。
でもこれこそが相対性理論の魅力だと思う。
音楽的にはすごく真面目なのに笑わせるのが彼らの魅力だ。今回のライブではその静と動の対比が個人的に楽しめたけれど、昔から脱力させるような曲を鳴らしていた。
今までは真部脩一がソングライティング面でのキーマンだった。だからこそ彼の脱退の影響は大きい。そう思っていたのだけど、その仮説は半分正しく、半分間違っていた。

確かに今の相対性理論には真部脩一ほど脱力系の曲を書く人はいない。
しかしやくしまるえつこだっておもしろい曲を書くのだ。「上海an」や「BATACO」はやっぱり笑える。アルバムに2曲も笑える曲があるのは、実は凄いことだと思う。

その上、すごい音を鳴らす現メンバーで真部脩一が在籍していた頃の曲も演奏する。いいとこ取りをしてるのが今の相対性理論なのだから最強なわけ。

アンコールの最後、演奏と視覚効果が相まって、やくしまるえつこが本当に消えてしまったように見えた。目の前にいたはずなのに、現実とフィクションの境界が一気に揺らいだ。あんな凄いものを見せられたらまた観に行っちゃうよ。

あと新メンバー3人のセッションがあまりに剥き出しで凄すぎたので、多分次の相対性理論のアルバムは大変な作品になると思う。